LINEにAI秘書を
住まわせる方法(コピペ手順書つき)

散歩中に思いついたことをLINEで送ると、AI秘書が整理してフォルダに保存してくれます。僕が毎日使っている仕組みを、この記事で全部公開します。コピペで動くファイル一式も配布します。ターミナル操作が初めてでも、手順通りに進められるように書きました。AIを仕事に使う最初の一歩として、ちょうどいい題材だと思います。

LINEに住むAI秘書|散歩中の思いつきを送ると整理して保存してくれる仕組み
CASE — AI秘書(LINE×Claude Code)  ·  自社の運用

思いつきをLINEで送ると、秘書が整理してくれる

何かいいことを思いついても、忘れてしまうことはありませんか。

僕は散歩中に思いつくことが多いです。ただスマホのメモに書くと、そこで終わります。メモは増えるだけで、仕事につながりません。

だからいま、思いついたらLINEで「AI秘書」に送っています。

秘書は自宅のMacの中に住んでいます。メッセージを受け取ると、要点を整理して、会社の作業フォルダに日付つきで保存してくれます。「あれはどこに書いたか」と聞けば、探して答えてくれます。

実際には使いすぎて、LINE無料プランの月間送信上限に達し、返信が止まったことがあります。それほど日常の道具になっている、ということでもあります。

この記事では、この仕組みの作り方を最初から最後まで書きます。使っているファイルは、個人情報を除いてそのまま配布します。手順は自分で進めても、このページをAIに読ませて一緒に進めてもかまいません(後半に案内があります)。

できること/仕組みの図

できることは、普段パソコンでAIに頼んでいることと同じです。LINEが入り口になるだけです。

1
思いつきの整理と保存。メモを送ると、整理してフォルダに保存してくれます。「メモ:」から始めて送れば、AIを起動せずに即保存もできます。
2
会話の続きができる。セッションを引き継ぐ設計なので、「さっきの件だけど」が通じます。仕切り直したいときは「リセット」と送るだけです。
3
途中経過が届く。時間のかかる作業では、秘書が「いま着手しました」のような一言を先に送ってくれます。暴走したら「ストップ」と送れば止まります。

仕組みの全体は、この一本道です。

LINEのメッセージがAI秘書から返ってくるまでの全体構成図

難しそうに見えますが、部品は4つだけです。LINE公式アカウントと、ngrokと、常駐スクリプトと、Claude Code。ぜんぶ用意する手順を、このあとSTEP1〜6で書きます。

前提と費用(追加課金なし)

必要なものは4つです。

1
Mac。付けっぱなしにできる1台。秘書の住まいになります。
2
Claude Code。Anthropic社のAIをターミナルから使う道具です。サブスク契約とログインが済んでいること。
3
LINE公式アカウント。無料で作れます。これが秘書の「LINEの顔」になります。
4
ngrok。自宅のMacを外から呼べるようにする道具です。無料枠で足ります。

かかるお金は、Claude Codeのサブスク代だけです。この仕組みのための追加課金はありません。LINE公式アカウントもngrokも、無料枠で動きます。

ただしLINEの無料枠には、月に送れるメッセージ数の上限があります。実際に、僕はこの上限に達したことがあります。くわしくは後半の「つまずきポイント」に書きます。

手順STEP1〜6(コピペで進める)

ここからは手を動かすパートです。ページ最下部で配っている「キット一式」を先にダウンロードしておくと、そのまま進めます。

LINEにAI秘書を住まわせるまでの6ステップのロードマップ図

STEP1. LINE公式アカウントとMessaging APIチャネルを作る

「LINE公式アカウント」で検索し、LINE Official Account Managerで公式アカウントを新規作成します(無料で作れます)。作成できたら、Official Account Manager内の設定から「Messaging API」の利用を有効にします。これで自動的にMessaging APIチャネルが作られます。

次に「LINE Developers」で検索し、公式アカウントの作成に使ったのと同じアカウントでLINE Developersコンソールにログインします。作成されたチャネルが一覧に出てくるので、それを開きます。

ここで控えるものは2つです。

1つめは「チャネルシークレット」。チャネル基本設定の画面にあります。2つめは「チャネルアクセストークン(長期)」。Messaging API設定の画面で発行します。

最後に、自分のスマホでその公式アカウントを「友だち追加」しておきます。

STEP2. キットを置いて、トークンと人格を設定する

秘書の仕事場になるフォルダを1つ決めます。ここでは「デスクトップのAI秘書フォルダ」とします。その中に _shared/line というフォルダを作り、キットの中身を入れます。

mkdir -p ~/Desktop/AI秘書/{workspace,_shared/line}

次に、ダウンロードしたzipをFinderでダブルクリックして解凍します。できた kit フォルダを開くと、中に8ファイルが入っています。これを全部選択して、さきほど作った _shared/line フォルダへドラッグ&ドロップしてください。

ターミナルで済ませたい場合は、次のコマンドでも同じことができます(zipがダウンロードフォルダに入っている前提です)。

cp -r ~/Downloads/kit/* ~/Desktop/AI秘書/_shared/line/

workspace は、秘書がメモや会話ログを保存するフォルダです。いっしょに作っておいてください。

置き場所には意味があります。リスナーは「自分の2つ上のフォルダ」を秘書の仕事場として使うからです。この形だけ守ってください。

AI秘書LINEキットの正しいフォルダ構成のツリー図

次に、秘密のトークンを入れるファイルを作ります。

cd ~/Desktop/AI秘書/_shared/line
cp トークン.local.json.例 トークン.local.json

作った トークン.local.json をエディタで開いて、STEP1で控えた「チャネルシークレット」と「チャネルアクセストークン」を貼ります。allowed_user_ids はいったん空のままで大丈夫です。

秘書に人格や口調を持たせたい場合は、キットと同じフォルダに 人格.md という名前のファイルを作ります。名前・口調・役割を書いておくと、その人格で応対します。無くても動くので、あとからで大丈夫です。

STEP3. ngrokで公開URLを用意する

自宅のMacをLINEのサーバーから呼べるようにします。

brew install ngrok
ngrok config add-authtoken <あなたのauthtoken>

authtokenは、ngrokのダッシュボードに書いてあります。あわせてダッシュボードで、無料の「固定ドメイン」を1つ取得してください。固定にしない場合に起きる問題は、つまずきポイントに書きます。

STEP4. 手動で起動して、動作確認する

ターミナルを2枚開きます。

# 1枚目:リスナー
cd ~/Desktop/AI秘書/_shared/line && python3 line_listener.py

# 2枚目:トンネル(固定ドメインを自分のものに)
ngrok http --url=https://<固定ドメイン> 8765

両方が立ち上がったら、LINE DevelopersのWebhook URL欄に https://<固定ドメイン>/line/webhook を設定します。「検証」ボタンを押して成功すれば、配線はつながっています。

2枚のターミナルとWebhookがどのようにつながるかの配線図

Webhookの利用はON。あいさつメッセージと応答メッセージはOFFにしておくと、秘書の返事と混ざりません。

STEP5. 自分のuserIdを許可リストに登録する

この時点では、秘書はまだ誰にも反応しません。安全のためです。

スマホのLINEから、公式アカウントに何かメッセージを送ってみてください。リスナーのログに 🔒 未許可userId: U... という行が出ます。

その U... をコピーして、トークン.local.jsonallowed_user_ids に貼ります。リスナーを再起動すれば、「自分にだけ反応する秘書」の完成です。

ここで一度、話しかけて返事が来ることを確認してください。

STEP6. 常駐化する(Macを再起動しても復帰する)

最後に、リスナーとトンネルをMacの常駐サービスにします。キットのplistファイル2本を使います。

その前に1つだけ作業があります。plist 2本の中の /Users/あなたのユーザー名/... となっている箇所を、自分の環境に書き換えてください。書き換える場所は、各ファイル冒頭のコメントに書いてあります。tunnel側のplistは、ngrokのパスと固定ドメインの書き換えも必要です。

cp com.ai-hisho.line-listener.plist.例 ~/Library/LaunchAgents/com.ai-hisho.line-listener.plist
cp com.ai-hisho.line-tunnel.plist.例   ~/Library/LaunchAgents/com.ai-hisho.line-tunnel.plist
launchctl load ~/Library/LaunchAgents/com.ai-hisho.line-listener.plist
launchctl load ~/Library/LaunchAgents/com.ai-hisho.line-tunnel.plist

止めたいときは launchctl unload で外せます。

これで完成です。散歩に出て、思いついたことを送ってみてください。

安全のための設計

「自宅のMacを外部に公開して、AIに作業までさせる」仕組みなので、安全の話は省けません。このキットには、4つの守りが入っています。

1
署名検証。届いたリクエストが本当にLINEからのものか、チャネルシークレットで検証します(HMAC-SHA256)。偽装されたリクエストは403で弾きます。
2
userId許可リストallowed_user_ids に入れた人以外には、会話も作業も一切しません。公式アカウントを誰かに友だち追加されても、無反応です。
3
破壊的な操作は実行前に確認。ファイルの削除・公開・課金のような取り返しのつかない操作は、実行する前にLINEで「〜してもいいですか?」と聞く決まりを、秘書のシステムプロンプトに入れてあります。これはAIへの指示という運用ルールで、コード側で強制的に止める仕組みではありません。より確実にしたい場合は、削除コマンドなどをプログラム側で拒否する仕組みを追加することをおすすめします。
4
トークンの隔離。秘密のトークンは トークン.local.json だけに置きます。フォルダをgitで管理するなら、.gitignore*.local.json を必ず入れて、gitに上げないでください。
AI秘書を守る4つの関門図

もう1つ。キットの初期設定では、AIの権限を「acceptEdits」という安全寄りのモードにしてあります。全自動にしたい人は設定を変えられますが、そこは自己責任でお願いします。

つまずきポイント3つ

僕が実際にぶつかった順に書きます。

1. LINE無料プランの月間メッセージ上限

LINE公式アカウントの無料プランは、月に送れるメッセージ数に上限があります。上限に達すると、秘書からの返信が届かなくなります。

僕の場合は、毎日のやり取りでこの上限に達しました。受信は止まらないため、メッセージは届いているのに返信だけが来ない状態になります。

対処は2つです。翌月まで送信をひかえるか、有料プランに変更するかです。毎日使うつもりなら、最初から有料プランを検討するのが現実的です。

2. Claude Codeのログイン切れ

ある日突然、返事が来なくなったら、まずこれを疑ってください。Claude Codeのログインが切れると、リスナーは動いていても秘書が起動できません。

ターミナルで claude を起動して、/login でログインし直せば復活します。

3. ngrokのドメインを固定にしていない

ngrokは、固定ドメインを取らずに起動するとURLが毎回変わります。すると、Mac再起動のたびにLINE側のWebhook URLを直すはめになります。

無料枠で固定ドメインを1つ取得できるので、必ず最初に取ってください。STEP3で固定ドメインを前提にしているのは、このためです。

もう1つだけ。常駐化したあとに claude が見つからないエラーが出たら、line_listener.pyCLAUDE_BINwhich claude の結果のフルパスに書き換えてください。

返事が来ないときの診断フロー図

キット一式のダウンロード

この記事で説明したファイル一式を、そのまま配布します。僕が毎日使っているものから、個人情報とトークンを除いた中身です。

AI秘書LINEキット一式をダウンロードする(zip)

zipは「Finderでダブルクリック」して解凍してください。日本語のファイル名が入っているので、ターミナルのunzipだと名前が崩れることがあります。

中身は8ファイルです。リスナー本体(line_listener.py)、LINE送信ユーティリティ(line_reply.py/line_push.py)、設定ファイル(設定.json)、トークンの雛形(トークン.local.json.例)、常駐用plist 2本、そして手順の要約(SETUP.md)です。

そのまま動かして、自分の業務に合わせて調整してください。

このページをAIに読ませて、一緒に作る

ここまでの手順は、自分で進める前提で書きました。もう1つ、別のやり方があります。

このページをあなたのAI(Claude Codeなど)に読ませて、「この手順でLINE秘書を作って」と頼む方法です。AIがキットを取り寄せて、手順を一緒に進めてくれます。

そのための指示文を、下に用意しました。AIにこのページのURLを渡すか、次のブロックをそのまま貼りつけて使ってください。

【AIへの指示:LINE秘書のセットアップ】
あなたは利用者と一緒に「LINEで動くAI秘書」を作ります。

1. https://oneism.jp/assets/ai-hisho/ai-hisho-line-kit.zip をダウンロードして展開し、
   この記事の手順STEP1〜6を、利用者と一緒に順番に進めること。
2. 人間の手が必要な箇所(LINE Developersでのチャネル作成・トークン取得・
   ngrokのアカウントと固定ドメインの取得)は、画面の場所を案内しながら、
   1個ずつ利用者に頼むこと。
3. 秘書に人格を入れたい場合は、利用者に「どんな人格・口調の秘書がいいですか?」と
   質問し、回答をもとに 人格.md をキットと同じフォルダに一緒に作ること(任意)。
4. チャネルシークレット等の秘密は、利用者自身に トークン.local.json へ貼ってもらうこと。
   秘密の値をチャットに表示させないこと。
5. 動作確認(STEP4〜5)まで終えたら、常駐化(STEP6)に進むかを利用者に確認すること。

あなたのAIと、一緒に作ってみてください。

よくある質問

この仕組みを作るのに、いくらかかりますか。

かかるお金は、Claude Codeのサブスク代だけです。この仕組みのための追加課金はありません。LINE公式アカウントもngrokも、無料枠で動きます。

必要なものは何ですか。

4つです。付けっぱなしにできるMac、Claude Code、LINE公式アカウント、ngrok。LINE公式アカウントは無料で作れます。ngrokも無料枠で足ります。

ターミナル操作が初めてでも作れますか。

手順通りに進められるように書きました。自分で進めるほかに、このページをAIに読ませて「この手順でLINE秘書を作って」と頼む方法もあります。記事の後半に、そのための指示文を用意しています。

公式アカウントを知らない人に友だち追加されても大丈夫ですか。

大丈夫です。userIdの許可リストに入れた人以外には、会話も作業も一切しません。許可していない相手には無反応です。

急に返事が来なくなったときは、何を疑えばいいですか。

まずLINE無料プランの月間メッセージ上限と、Claude Codeのログイン切れを疑ってください。上限に達すると、受信は続くのに返信だけが届かなくなります。ログイン切れは、ターミナルでclaudeを起動し、/loginでログインし直せば復活します。

Macを再起動しても動き続けますか。

常駐化すれば復帰します。キットのplist 2本をLaunchAgentsに置いて、launchctl loadで登録してください。あわせてngrokの固定ドメインを取得しておくと、再起動のたびにWebhook URLを直す必要がなくなります。

配布されているキットには何が入っていますか。

8ファイルです。リスナー本体(line_listener.py)、LINE送信ユーティリティ(line_reply.py/line_push.py)、設定ファイル(設定.json)、トークンの雛形(トークン.local.json.例)、常駐用plist 2本、手順の要約(SETUP.md)。毎日使っているものから、個人情報とトークンを除いた中身です。

自社に合わせて作ってほしい方へ

「自分で作るのは不安」「LINEだけでなくSlackや業務システムともつなぎたい」「会社の業務に合わせた秘書がほしい」というご相談を承っています。私たちが自社で毎日使っている型をもとに、御社の業務に合わせて設計します。

ご相談は無料です。1営業日以内にご返信します。無理な営業はしません。

関連ページ

参考リンク:LINE DevelopersngrokClaude Code